〈ブローバ〉は一体なにがスゴイのか?

“世界初”の誇りが詰まった
革新的なNYウォッチ!

時計ブランドは数々あれど、NYに本社を構えるアメリカンブランドといえば〈ブローバ〉。
すでに創業から140年以上。高い技術力と職人技のうえに革新的な取り組みを続け、現在も魅力的な時計を生み出している。で、今回はそんな時計の本当の価値を探るべく、NY取材を敢行。
様々なエピソードに彩られた〈ブローバ〉の魅力はどこにあるのか?
さっそく見ていこう。

写真=正重智生 スタイリング=榎本匡寛 ヘア&メイク=KIYO
photo:Tomoo Syoju(BOIL) styling:Masahiro Enomoto(remix) hair&make-up:KIYO

まずは写真の時計をじ~と見てほしい。
なにか普通の時計とは違ってませんか?
実はコレ、手首に沿うようにケース自体が
湾曲しているのだ。
でも、正直こんな時計はほかにもある。
大事なのはケースを薄くするために
中身のムーブメントまで曲げちゃったってこと!
もちろんこれはクロノグラフムーブメント
としては世界初。
こんな革新性が〈ブローバ〉の魅力のひとつ!
いくらケースが湾曲してフィット感が向上しても、
やっぱり時計は見た目が大事。
その点“カーブ”は
薄いケースがシャープでモダン。
立体的で美しい文字盤を見るたびに、
ブランドの美意識の高さが実感できるはずだ。

CURV [カーブ]

世界初の時計に宿るのは
伝統的なクラフトマンシップ!

通常の8倍(!)の振動数を誇るハイパフォーマンスクォーツを搭載することで、さらに高精度に。立体的なインデックスやサブダイヤルも高級感たっぷり。作りこみの確かさが伝わってくる。ケース径44mm、ハイパフォーマンスクオーツ、SSケース(ブラックPVD+ローズゴールドPVD)、ラバーストラップ、3気圧防水。11万6000円(ブローバ/ブローバ相談室)

右上:クォーツでは珍しく裏蓋はシースルー仕様。自慢のムーブメントに自信があふれる 右下:世界初の湾曲したクロノグラフムーブメント 左下:横からは湾曲具合が一目瞭然!

A:NY本社にはアーカイブを展示する部屋を設置。迎えてくれたのは右からアーカイブ担当のジュリー、ブランドの生き字引であるカール、副社長のミシェル B:1875年ブランドを設立したジョセフ・ブローバ。宝石や自転車など各種特許を取得するなど、優れたアイデアと情熱を持ち合わせていた C:「量より品質、生産より完璧性」をモットーに1912年スイス・ビエンヌに時計工場を設立 D:1920年、高い技術をもとにNYの高層ビルに初の観測所を設立

〈ブローバ〉が歩んだ歴史には数々の
“世界初”があった!

一体〈ブローバ〉には、いくつの“世界初”や“先駆け”と呼べるものがあるのだろうか?そう思わせるには理由がある。技術者で発明家でもあったジョセフ・ブローバが、1875年NYにブランドを設立してから140年以上。これまで〈ブローバ〉が歩んできた道は、まさにアメリカン・イノベーションの歴史そのものだったのだ。そして創業当時から受け継がれる、“革新・技術・クラフトマンシップ”のブランドを体現するキーワードは今も健在。世界初となった、ムーブメントまでカーブしているクロノグラフ“カーブ”はその最もわかりやすい例だけど、もちろんほかにも、そんな革新的で心が躍る時計がいっぱいある。
で、今回はそんな〈ブローバ〉の“懐の深さ”を探るべくNY本社へ。場所はNYのど真ん中にあるエンパイアステートビルだ。そこでお話を聞いたのが、〈ブローバ〉の魅力をよく知るカール E・ローゼン。さっそく彼に、まずは〈ブローバ〉の時計の魅力について聞いたところ、意外な答えが返ってきた。
「ユニークな時計はたくさんあるけれど、〈ブローバ〉の魅力は時計だけじゃなくて、パッケージデザインやマーケティング手法にもあるんだよ。それと社会貢献にもね。たとえば1945年にはクイーンズ地区に、退役軍人のために時計の修理訓練学校を作って社会復帰をサポートしていたよ。常にアメリカの社会と関わりを持ちつつ、みんながワクワクするような時計を作ってきたんだ。」 確かに、マーケティングの分野でも〈ブローバ〉は、アメリカ初の全国的なラジオCMを1926年に、その後1941年にはTVCMも行い話題となった。“世界初”を謳うのは時計だけではない。とはいえ、やっぱり気になるのは長い歴史の中で話題となった時計。次ページからミュージアムに所蔵されている時計を見ていこう。

オーシャノグラファー
デビルダイバー

新色も登場した名作の旧ロゴ仕様

1970年代のオリジナルを復刻した“オーシャノグラファー デビルダイバー”。当時の防水性能は300フィート(約90m)が一般的な中、666フィート(約200m)防水を実現。ケース径44mm、自動巻き、SSケース&ブレス、20気圧防水。各8万4000円(以上ブローバ/ブローバ相談室)

A:パッケージデザインの先駆者は〈ブローバ〉と語るカール。写真右の時計は1931年〈ブローバ〉を着用した男性が世界一周した際に立ち寄った14都市をパッケージで描いたもの B:1928年にラジオクロックを最初に世に出したのは〈ブローバ〉 C:なんとエルヴィス・プレスリーが愛用した時計も保管。14金ゴールドケースで、裏側にはE・Pのイニシャルが! D:写真は、当時666フィートの防水を誇ったデビルダイバーのオリジナルモデル。カール曰く「誰かが666は悪魔のサインだと言ったのがその名の由来。名前はお客さんが決めたのさ」

〈ブローバ〉の時計には色褪せないストーリーがある!

数ある〈ブローバ〉の時計の中で“世界初”の代表格といえば、やっぱり音叉時計として名高い“アキュトロン”だろう。発表は1960年。それまでのゼンマイ機械式とは違い、音叉の振動で針を動かす仕組みだ。
「アキュトロンは時計業界300年の歴史の中で、とても革新的な時計だよ。精度の高さは別格で、すぐに鉄道会社が使うようになった。当初は文字盤がついたベーシックなデザインだったが、小売店からアキュトロンの高い技術力を見えやすい形にしたほうがいいとの意見があって、スケルトン化したんだよ。アルファシェイプと呼んでいる上下非対称なケースも好評だったね」と語るカール。さらにアキュトロンにはもうひとつ、とてつもないエピソードがある。

ルナパイロット クロノグラフ

復刻とは思えない モダンな1本!

1971年のアポロ15号月面探査で宇宙飛行士が使用した“ルナパイロット”の復刻版。宇宙空間でも完璧に作動したストーリーに男のロマンがときめく。面ファスナーの替えブラックナイロンベルト&交換用具付きスペシャルボックス入り。ケース径45mm、ハイパフォーマンスクォーツ、SSケース、カーフレザーストラップ、5気圧防水。6万8000円(ブローバ/ブローバ相談室)

左:実際に月面探査で活用されたオリジナルがこれ。2015年のオークションでは歴史的価値が評価され約1億9700万円で落札!

E:1960年に世界初の音叉式電子時計“アキュトロン”を発売。非常に高精度だったため鉄道用時計にも採用。小売店の要望で中身が見える仕様にした逸話も F:軍用時計でも信頼を勝ち取り、軍に納入した時計(写真下) G:’70年代の傑作“コンピュートロン”は復刻版も人気。近未来的なフォルムに独自性が光る H:サーフボードやパーキングメーター、星条旗など愛称で呼ばれた時計も多い I:販促用のポップもユニーク J:'70年代“ゴールデンクリッパー”発売時には英国製の本物の剣が当たるという驚きのマーケティングも実施 K:当時の広告

「〈ブローバ〉は、46もの宇宙計画に関わってきたけど、アキュトロンは宇宙でも活躍したんだ。1969年にはアポロ11号によって、アキュトロンの計時装置が月面で使われたりもした。また、アポロ15号の司令官に提供したのがルナパイロット。この時計は3回月に行ったよ。ボタンはグローブをつけても押しやすいようにデザインされているんだ」
ちなみに、この月面で使用された時計は“ルナ パイロット クロノグラフ”として復刻版が販売されている。ほかにも“アーカイブス シリーズ”として復刻モデルが登場しており、人気を博している。
「〈ブローバ〉は140年以上の歴史があるから、昔の時計を見返したり、デザインを今に取りこむことができる。たとえばサーフボードと呼ばれる時計は、シガレットハンズ(タバコのようなデザインの針)が面白いし、残り時間がわかるカウントダウンベゼルも個性的。復刻したら面白いだろうね」
ストーリーがある時計は、まだまだ〈ブローバ〉の中に眠っていそうだ。

A:アメリカの音楽の祭典“グラミーアワード”をサポートして4年め B、C:今年開催の第62回グラミー賞では、会場となったLAのステープルズ・センター近くのグラミーミュージアムにて、歌手のフレッチャーがパフォーマンスしたほか、同じく歌手のカルム・スコットなども参加。良質な音楽を届けていた。C:(写真左)Calum Scott & FLETCHER【カルム・スコット&フレッチャー】D:Michael Benavente【マイケル・ベナヴェンテ】1987年から時計ビジネスのキャリアをスタート。数々の時計ブランドで経験を積み、その後ブローバUSAのアメリカおよびラテンアメリカのマネージングディレクターに就任。

米国カルチャーのサポートも大事な役目!

今年1月に開催された第62回グラミーアワードは、ご存知のとおりビリー・アイリッシュが主要4部門を独占。大きな話題となったが、そのグラミーのスポンサーを務めているのが〈ブローバ〉。もともと時計メーカーとしては世界初となったラジオCMやTVCMを積極的に行うなど、宣伝に長けたこのブランドが、アメリカ随一の音楽の祭典をサポートする意味はどこにあるのだろうか? そのへんを知るべく、ブローバUSAのマイケルに話を聞いてみた。
「私たちは、ユーザーとどうやって良好な関係性を築くかをいつも考えているんだ。グラミーのスポンサーになることで、時計の価値にさらにストーリーを加えることができる。その意味で、若い人も関心が高く一番有名な音楽の祭典は、〈ブローバ〉のエモーションを伝えるためのよいチャンネルになるんだよ」
〈ブローバ〉がグラミーのスポンサーを務めはじめたのが4年前。それと同時に毎年グラミーモデルを発売。これを楽しみしているファンも多いようだ。
「毎年、次のグラミーモデルには何を付け加えようかと考えているよ。今年のモデルは、はじめて自動巻きにしてみたんだ。さらに毎年時計に入れこむ音楽要素を変えているんだ。たとえば、ピアノやドラム、ギターだったりね」

アーカイブを見てもわかるように、その時代時代でユーザーが楽しめるデザインや機能を盛りこんできたのが〈ブローバ〉。このグラミーモデルも然り。毎年登場するモデルを見れば、その年の音楽シーンが蘇ってくるから楽しくなる。
「もちろんグラミーだけじゃなく、若い人に人気の音楽団体とも強い関係を築いているんだ。たとえば、“ウルトラ・ミュージック”もそう。音楽シーンと通じることで、PR活動の成果は上がっているんだ。でもその一方で、音楽を通じてカルチャー自体をサポートする結果にもなっている。〈ブローバ〉は創業からNYを拠点に発展してきたブランド。だから、これからももっとNYやアメリカのコミュニティと繋がりたいと考えている。たとえば学校の中で、音楽やアートの分野は真っ先にカットされることが多いけど、〈ブローバ〉のような会社が音楽活動をサポートしていけば、音楽が好きな学生にとって、とてもよいことになると思うよ。それに〈ブローバ〉には、かつて退役軍人のためにブローバ時計学校を設立するなど、社会貢献を積極的に行ってきた歴史がある。その意味でいうと、広くアメリカのカルチャーをサポートするのも自然なことだし嬉しい。もちろんその結果、〈ブローバ〉の時計をする人が増えたらもっと嬉しいんだけどね」

自動巻きを初採用した特別なグラミー
時計!

グラミー特別モデルの2020年版。レコードをイメージしたダイヤルには、ギターのピックを想起させるインデックスをデザイン。裏にはグラミーのロゴが入る。ケース径44.5mm、自動巻き、SSケース(ブラックPVD)、カーフレザー&ラバーストラップ、10気圧防水。7万5,000円(ブローバ/ブローバ相談室)

斬新なマーケティング活動は〈ブローバ〉の十八番!
D:マーケティング分野では先進的な取り組みを行ってきた〈ブローバ〉。1926年にはアメリカ初の全国的なラジオCMを実施 E:1941年には、世界初となるテレビCMも放映。写真はそのときの画像。一方で週刊誌にカラーの見開き広告を掲載するなど、幅広い取り組みをしてきた。
雑誌“Safari” タイアップ掲載 Vol.2
「都会派カジュアルの手元に
NYスタイルの洗練時計を!」