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Feature of
MIL-SHIPS

ミルシップ

― 米海軍へ提供した伝説のプロトタイプ潜水時計 ―

米海軍潜水実験隊の潜水士

For NEDU
米海軍潜水実験隊(NEDU)との結びつき

もともと、米軍との強い結びつきで知られるブローバは、特に第二次世界大戦中、政府の要請に応じてさまざまなMIL規格の時計を製造していました。
当時、ブローバの研究開発を率いていたオマー・ブラッドリー陸軍元帥は、海軍から米海軍潜水実験隊(以下NEDU:The US Navy Experimental Diving Unit)が着用するための、重要な任務を耐えうる頑丈な潜水士専用時計を作るよう求められました。
※MIL規格:アメリカ国防総省が調達する物資に対して、過酷な環境でも問題なく利用できるように定められている品質基準

(左) オマー・ブラッドリー陸軍元帥 1956年6月6日当時

MIL-SHIPS-W-2181 for Diving
契約仕様書「MIL-SHIPS-W-2181潜水用」

1955年12月5日、米国海軍艦船局は、当時の水中時計では不十分だったため、NEDUの潜水士用の水中時計として、契約仕様書「MIL-SHIPS-W-2181潜水用」を作成。次の4つの条件を求めました。
1.規定の深さまで水を通さないこと
2.何ヶ月もの間水蒸気が侵入しないこと
3.暗闇でも視認できること
4.外周に回転可能なリングが付いていること

(上) 1957年当時のプロトタイプ時計 / (下) 米海軍潜水実験隊の潜水士

The Testing
MIL-SHIPS-W-2181潜水用プロトタイプの納入とテスト

契約仕様書をもとに、1957年5月、ブローバは最初に3つのプロトタイプをNEDUへ納入し、テストしました。
その試作品は、独自の2ピース防水ケースバック、厚手の真鍮製耐磁ケースホルダー、17石の手巻きムーブメント「10BPCHN」、巻き過ぎ防止の独自クラッチ機構などを備えていました。
1958年にはさらに数台の試作品が追加納入され、潜水部隊や海軍のUDT-21潜水作業員チームが実地テストを行いました。
ベゼルが確実に固定されているか、水密性が確保されているかを確認するため、広範囲で厳しいものでした。
試作品はダイビングで着用されたのち深層潜行テストも行われ、当時としてはかなり深い392フィート(約119.5m)までの深度テストに成功しました。

1959年12月米国海軍艦船局機関紙表紙と記事

Hoped by U.S Navy
米国海軍に待ち望まれた時計

NEDUが制作したブローバプロトタイプのテクニカルレポートには、テストで得られた知見や推奨事項が詳細に記されています。
海軍は“このような時計は見たことがない”と興奮に包まれたようです。
しかし、試作品の最終承認を待っている間に、ブローバはこの時計の開発を中止し、別の開発を進行します。その結果、「MIL-SHIPS-W-2181」潜水用プロトタイプはわずか数本のみの製造にとどまるものの、テストモデルのみが海軍のダイバーに支給され、実地で常用されていました。
その後、1959年12月の米国海軍艦船局の機関紙では、1ページにわたってブローバの時計が紹介されたことから、海軍がMIL-SHIPS-W-2181用時計の納品を待ち続けていたことが分かります。

文字盤6時位置に配された「モイスチャーインジケーター」

About MIL-SHIPS
新製品“MIL-SHIPS(ミルシップ)”について

NEDUのために開発されたこのユニークな時計“ミルシップ”は、2021年秋に待望の復刻を遂げました。
最大の特徴は6時位置に備えられた“モイスチャーインジケーター”。これはオリジナルモデルに搭載されていたのと同じく、ケース内部に高湿度を検出した際、インジケーターの色がブラウンからブルーへ変化するユニークな機能です。
また、当時の「MIL-SHIPS-W-2181潜水用」の規格を忠実に復刻した両回転トップリングを採用。水中用のグローブでも操作でき、安全性を高めるため、押し込んでからでないと操作ができない仕様のプッシュロック式両回転トップリングです。

(左) ケースバック刻印 / (右) 98A266

ケースバックには "Master Diver Helmet "の刻印が施され当時の海軍からの熱い支持を物語るかのような、ユニークなデティールを演出。
ブラックの文字盤に夜光塗料を塗布した針やインデックス、ラグの形状などは洗練されたデザインでありながら汎用性を兼ね備えています。
象徴的な懐かしいタイムピースを再構築し、現代的な要素を加えた エキサイティングなモデルが勢ぞろいしたアーカイブスシリーズ。 ブローバの新たな歴史に刻まれていくでしょう。