Feature of
Parking Meter

パーキングメーター

― 半世紀が過ぎてもなお独創的な
ブルヘッド型クロノグラフのパイオニア ―

「サーフボード」「パーキングメーター」のオリジナル時計

The Golden Age

“ブローバ・クロノグラフの黄金時代”をご存知でしょうか? それは、1970年から1974年までの期間。1969年に世界で初めての自動巻きクロノグラフムーブメント「クロノマティック」が誕生し、各ブランドからさまざまなクロノグラフ腕時計が開発されるようになった頃の話です。ヒッピーやボヘミアンといった開放的で自由を大切にするカルチャーが花開いた時代で、腕時計のデザインにも挑戦的でアバンギャルドなスタイルが取り込まれはじめていました。そうした背景の元、ブローバからは「スターズ&ストライプス」や「サーフボード」など、個性的なクロノグラフが数多く登場したのです。

1973年に発売された 「31008-6W」

Original Model

この“ブローバ・クロノグラフの黄金時代”におけるシンボリックな存在といえるのが、「パーキングメーター」です。
発売した1973年当時の名称は「31008-6W」。自動巻きクロノグラフ「クロノマティック」の系譜を受け継ぐムーブメントを採用し、これを左に90度回転させて搭載させるというダイナミックなアイデアを実現したことで、他とは一線を画す独創性を手に入れました。それにより、2つのインダイヤルの配置はヨコからタテへ。通常ケース右側にくるはずの2つのプッシュボタンは上側へ、ケース左側のリューズは下側へとシフト。特に上部に突き出た2つのプッシュボタンは強烈な印象を与え、後にブルヘッドやツノクロノと呼ばれるジャンルが築かれるほどになりました。

アメリカの街中の「パーキングメーター」

Parking Meter

さらに愛好家たちの目を釘付けにしたのが、文字盤のデザインでした。上部のインダイヤルは扇形に、下部のインダイヤルは長方形に縁取った斬新な装飾を選択。これが、アメリカ各地で見られた路上のパーキングメーターと瓜二つだったことから、いつしか「パーキングメーター」との愛称で呼ばれるようになったのです。

「パーキングメーター」98B390

Revival

発売からおよそ50年以上が経った後も、「パーキングメーター」は決して忘れられることのない名作としてファンの心に留まり続ける存在でした。独自に運営されているフォーラム<MyBulova.com>の協力を得て復刻を期待するモデルの投票を実施したところ、この「パーキングメーター」が圧倒的な得票を獲得。果たして現代への復刻を果たしたのです。

「パーキングメーター」98B390

Detail

シルバーの上にブルーとオレンジのディテールを施し、アイデンティティたる文字盤デザインを忠実に再現。一部ケースとタキメーターリングにはブルーイオンプレーティング仕上げを施し、洗練された印象にまとめ上げました。
オリジナルとは異なり、クォーツのクロノグラフムーブメントを搭載。「31008-6W」を再現するため、リューズをケース上側に移動し、6時位置にデュアルタイムリング調整用リューズを設け、機能を追加しました。ストラップは、ケースカラーに合わせたブルーグレーのステッチを施したしなやかなブラウンのレザーをセット。このほか、独特のオーバル型をしたケースフォルムやボリューム感のあるレザーストラップも当時のデザインを忠実に再現しています。

“ブローバ・クロノグラフの黄金時代”の熱狂を今によみがえらせる「パーキングメーター」。その意欲的なスタイルは、今もなお人々の心を捉えて離しません。

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